看護師が不足している背景について

看護師の人手不足には、大きく分けると2つの背景があります。

1つ目は、職場が過酷な状況であるということです。例えば、看護師の人数が足りず、一人当たりの仕事量が多い現場は少なくありません。これに加えて、患者からの急なナースコールや急患の対応により、残業や休日出勤の回数が増えることもあります。そのため、超過勤務となり、体力の限界やメンタルヘルスに悪影響が出てしまうこともあるようです。このような状況が続くと、子育てや親の介護をはじめ、余暇を楽しむといったプライベートな時間が削られてしまうので、最終的には離職を決意する看護師も現れてしまい、多くの医療機関で人手不足の状況が起こっています。

それから2つ目は、看護師の活躍の場が増えていることが挙げられています。看護師の需要は、病院だけでなく、介護施設や幼稚園など、福祉系の現場でも高まっているからです。介護施設では、看護師が高齢者の健康チェックや緊急時の対応を担いますが、高齢化社会の加速によって介護施設は増加の一途をたどっています。しかも、訪問看護や在宅入浴サービスなども事業を拡大しており、看護師の求人は右肩上がりとなっています。

また同様に、幼稚園も、看護サポートを充実させることで持病のある園児のケアに力を入れていこうという動きが高まっています。そのため、今までは医療機関の求人ばかりが目についていましたが、それ以外の分野でも看護師は引く手あまたの状況となっており、看護師の人手不足の問題に拍車をかけているのです。